ご挨拶

高度成長時代の追いつけ追い越せから、すでに世界の先頭に立ち並んで競争する立場にかわり、我が国の科学技術の国際的な位置付けは大きく変わりました。お手本のない研究と開発、理解する能力に加えて創造する能力の育成など、科学技術立国は大きな転換期を迎えました。一方で、科学技術は人と社会を物質的に豊かにするだけでは責任を果たせず、大量エネルギー消費や自然環境保護など、人類の営みによる地球や宇宙への影響へも対応しなければなりません。このような課題は、ひとつの分野の研究成果や政策だけでは解決できず、複数の分野の叡智を総合的な視点から体系化して活用する必要があります。すなわち、工学のより一層の発展とそれを支える高度科学技術人材の輩出が望まれており、産業界といっそう密接な連携を取りながら、工学叡智の創出と人材育成が必要となります。
一般財団法人総合研究奨励会は、このような要請に対応するため、産官学の情報交換、国際交流、研究開発の推進を図り、持続可能な社会の構築に貢献することを目指しております。
代表理事 染谷 隆夫